Department of Rehabilitation

リハビリテーション科

概要

リハビリテーション科は、地域の急性期医療の一端を担うべく、高度治療室(HCU)や一般急性期病棟に入院された患者様の早期からの介入に取り組み、地域包括ケア病棟や外来での通院リハビリに至るまで、継続的にリハビリテーションを提供しています。

リハビリテーション室は238㎡で広く明るい環境となっています。施設基準は運動器リハビリテーションI、脳血管リハビリテーションI、呼吸器リハビリテーションIを取得しており、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・助手が在籍しています。

入院・外来リハビリテーション

病気や怪我、骨折、痛みなどの障害により、身体が不自由となった入院・外来患者様に対し、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)がリハビリテーションを実施します。

急性期・回復期・維持期・在宅

麻生総合病院に隣接する麻生リハビリ総合病院(回復期病院)、訪問看護ステーション(訪問リハビリテーション)、総生会ロイヤルホーム(有料老人ホーム)が併設されており、当院と連携を取りながら継続的な治療をサポートしています。

日常生活動作指導(ADL)指導

自宅生活を想定した訓練、患者家族や施設の方に対する介助方法などの指導、自主トレーニング指導なども行っています。

退院時リハビリテーション指導

必要に応じて患者様のご自宅を訪問し、家屋環境の評価、手すりの設置や福祉用具機器の選択などのアドバイスを行っています。

地域包括ケア病棟

患者様の在宅復帰、施設復帰をめざし、リハビリテーションスタッフが対応します。

糖尿病教育入院

理学療法士がマンツーマンで退院後も継続できる筋力トレーニング、ストレッチ、ウォーキングなどの運動療法を指導・実施いたします。また、医師や看護師、管理栄養士、薬剤師などとカンファレンスを実施し、患者様の治療を行っています。

栄養サポートチーム(NST)

医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、医療事務などの専門職が加わり、栄養状態の把握と管理、サポートを行っています。

褥瘡対策チーム

医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医療福祉相談室などの専門職による褥瘡治療を行っています。

摂食嚥下支援チーム

医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士などの専門職による嚥下評価、適切な食事形態の検討、誤嚥窒息予防を行っています。

リハビリテーションが対象となる疾患例

整形外科 骨折、捻挫、打撲、脱臼、靭帯損傷・靭帯断裂、腱断裂、ガン・腫瘍、リウマチ、筋断裂、脊椎疾患(ヘルニア・脊柱管狭窄症・頚髄症・変形性脊椎症・腰痛・すべり症・側彎症・斜頚・脊髄損傷・後縦靱帯骨化症・椎間板症・脊椎カリエス、化膿性椎間板炎)、頚椎捻挫(むちうち)、変形性関節症、肩関節周囲炎(五十肩)、腱板損傷・腱板断裂、胸郭出口症候群、頚肩腕症侯群、RSD、オスグッドシュラッター病、半月板損傷、ジャンパー膝、膝靱帯損傷、シンスプリント、外反拇趾、内反小趾、足底腱膜炎、扁平足傷害、神経痛、腱鞘炎、ばね指、デュピュイトラン拘縮、ヘバーデン結節、野球肘、野球肩、テニス肘、離断性骨軟骨炎、スポーツ障害 など
内科 呼吸器疾患(COPD、肺気腫・肺炎・呼吸不全・喘息)、誤嚥性肺炎、心不全・胸水・ガン・尿路感染症・糖尿病・褥瘡などの廃用症候群 など
神経内科 パーキンソン病、脊髄小脳変性症、進行性核上性麻痺、難病疾患 など
脳神経外科 脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血、水頭症、脳挫傷、脳腫瘍、硬膜下血腫、低髄液圧症候群、顔面神経麻痺、神経麻痺 など
外科 腫瘍・ガン・腸閉塞・胆のう炎・胆管炎・胃潰瘍・ヘルニア・褥瘡・膵炎などの廃用症候群 など
泌尿器科 前立腺癌・腎盂腎炎・前立腺肥大・腫瘍・ガンなどの廃用症候群 など
耳鼻科 嚥下障害、顔面神経麻痺、廃用症候群 など
透析内科 腎不全などの廃用症候群 など
その他 他科からも指示依頼があればリハビリテーションを実施しています

理学療法とは

ケガや疾病により障害を負った患者様に対して運動療法や物理療法を行い、状態の改善を図ります。障害が残ったとき、基本動作や日常生活活動を改善するための指導、社会生活を送る上で不利な要素を少なくするための福祉用具の選定や住宅改修・環境調整、在宅ケア等も行います。また、生活習慣病の予防やコントロール、障害予防も理学療法の対象になっています。

具体的診療内容

運動療法

寝返り・起き上がり・座位・立位・立ち上がり・移乗動作などの日常生活・基本動作訓練、歩行訓練、階段訓練、筋力増強訓練、関節可動域訓練、バランス訓練、腎臓リハビリテーション、呼吸理学療法、麻痺に対する神経筋促通訓練、循環マッサージ、疼痛に対するリラクゼーション、スポーツリハビリテーション等の訓練を実施し身体機能の改善を図ります。

プラットホーム上での訓練場面
松葉杖歩行場面

スポーツリハビリテーション

投球障害・野球肩(SLAP損傷、リトルリーガーズショルダーなど)・上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、野球肘、肘離断性骨軟骨炎、(外側型野球肘)、オスグッド病、シンスプリント、膝半月板損傷、各部捻挫、各部靭帯損傷など、各種スポーツ選手などのリハビリテーションを実施しています。

投球動作
エルゴメーター

エルゴメーター

リハビリ機材
徒手筋力計

徒手筋力計

リハビリ機材

腎臓リハビリテーション

透析中の患者様に対して集団での運動療法を実施しています。運動療法により、腎臓機能低下予防、心肺機能の向上、日常生活動作能力の向上等のサポートを行っています。

人工透析の機械

呼吸理学療法

当院では認定呼吸療法士が在籍しており、肺炎や呼吸器疾患などの患者様に対して呼吸療法を実施しています。

呼吸介助場面

物理療法

体外衝撃波(ショックマスター)、電気療法(低周波・干渉波治療器)、温熱療法(バイブラバス、水治療法、ホットパック)、超音波療法、排痰補助装置などを使い、痛みの軽減や機能改善を図ります。

SSP

SSP

干渉波

干渉波

排痰補助装置

排痰補助装置

ホットパック

ホットパック

ホットパック

超音波治療器

超音波治療器

バイプラバス

バイブラバス

起立訓練板

起立訓練板

(体外衝撃波)ショックマスターによる治療について

筋・腱などの慢性的な痛みに対して治療を行います。多くのスポーツ選手にも取り入れらている治療です。
圧力波(圧縮空気を生み出す強い振動)を患部に当てることで、
①疼痛を誘発している神経の週末部を破壊し、痛みに関わる神経内の伝達成分を減少させます。
②血管新生、コラーゲン産生を促す成長因子を生み出す効果があり、血流や組織代謝を増加させる。
ことで変性した筋組織を再生させ、石灰化沈着や慢性痛を取り除くことが期待できます。

ショックマスター

スポーツ整形

作業療法とは

日常活動の諸動作、仕事・遊び等人間の生活全般に関わる活動を作業療法の「作業活動」と呼び、治療や援助もしくは指導の手段としています。作業療法では遊びや手工芸等の活動も治療の手段になります。
患者様が意欲的に取り組めるような活動と、患者様の伸ばしたい部分が含まれる活動、その二つを考慮し、今よりも生活しやすい状態になるために動作・活動の訓練を行います。

具体的診療内容

骨折・末梢神経損傷治療(ハンドセラピー)

手指・前腕骨折や怪我などを対象に、物理療法や手指関節可動域訓練、巧緻性訓練、筋力訓練等を行います。

身体機能訓練

脳卒中などの疾患により身体機能障害を呈した患者様に対し、評価および訓練を行います。

高次脳機能訓練

注意機能障害(注意散漫、注意を持続できないなど)、失行(身振り手振りの動作がぎこちなくなったり、道具が使えなくなったりする)、遂行機能障害(計画を立てたり、それに沿った行動がとれなくなったりする)、記憶障害を呈した患者様に対し評価および訓練を行います。

日常生活動作訓練

食事、更衣、排泄等の身辺動作や家事動作について、適切な動きや介護方法を病棟で訓練・指導を行います。

職業復帰訓練

職場復帰や就職に向けて、身体機能・作業能力・一般能力等を評価し訓練を行います。

作業療法訓練場面

上肢手指運動機能検査

運動麻痺がある左上肢・手指の運動機能を検査している場面です。
形や大きさが違う物品を把持し、運搬する時間を計測します。

高次脳機能検査

手元にあるブロックを図柄通りに並べていく検査をしている場面です。

上肢手指機能訓練

肩や手指の運動機能訓練を行っている場面です。
棒(ペグ)をつまみセラピストが手首を介助しながら動きを誘導します。

更衣動作訓練

セラピストが動きを誘導しながら着替えの訓練をしている場面です。

家事動作訓練

退院後の生活を想定し、立位のバランスを保ちながら、洗濯物を干す訓練をしている場面です。

言語聴覚療法とは

私達は言葉によって互いの気持ちや考えを伝え合い、経験や知識を共有して生活しています。言葉によるコミュニケーションには言語、聴覚、発声、発語、認知等の各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題等でこれらの機能が損なわれる場合があります。
言語聴覚士は言葉によるコミュニケーションに問題を抱えている患者様に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるように支援します。また、摂食・嚥下の問題にも対応します。

具体的診療内容

言語聴覚療法

主に失語症(頭の中にある考えが言葉にならない・言葉の内容が理解できない)、構音障害(ろれつが回らなくて話しにくい・聞きにくい)、高次脳機能障害(物事が覚えられない・注意が散漫になる)音声障害(声がかすれる)等の患者様に対し、評価及び訓練を実施していきます。

脳梗塞により失語症が出現している患者様です。
絵が描いてあるカードなどを使い、言葉の理解や表出を促す言語訓練を行っている場面です。

摂食機能療法

摂食・嚥下障害(食べ物が飲み込みにくい,むせてしまう)の患者様に対し、評価及び訓練を実施していきます。

嚥下時に使う喉頭周辺の筋力を向上させる為の、おでこ体操を実施している様子です。脳血管障害や加齢による廃用で嚥下機能が低下した患者様に行います。

おでこ体操を実施している場面

食事介助場面の様子です。嚥下障害があるとうまく食べ物が飲み込めない・ムセ込みがするなどの症状が出ます。医師や看護師、管理栄養士等の他職種と連携を取りながら、食形態や食事介助方法の検討を行っています。

食事介助をしている場面

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