救急科 部長 伊藤 壮一
2016年4月1日 近隣の3次医療施設と協力し川崎市、町田市、稲城市にまたがる地域の救急医療のために、麻生総合病院救急総合診療科は設立しました。私たちの施設は2次救急医療施設ですが、ER型救急施設として出来るだけ多くの救急患者様に対応できるよう努めています。
日本の救急医療の歴史は、昭和40年代、交通事故による犠牲者が急増した一方で、外傷を中心とする救急患者に対応できない病院診療体制がありました。これが「たらい回し」なる用語が生まれた背景です。この問題に対応できる病院機関として全国に3次救命救急センターが設置されました。3次救命救急センターは重症の患者様に応需する施設として成果を上げました。
しかしながら、医学の進歩とともに、現場医療の高度専門分業化が進み、専門分化が進む一方、専門外を理由に救急患者の受け入れ対応ができないケース、高齢化社会の中で急増する、複数の合併症を有するため高齢者の救急搬送患者に対応できないケース、更には救急スタッフ確保の困難と疲弊による救急告示病院の激減などで、再度「救急患者のたらい回し」や「救急不応需」の問題が再来しました。
この問題に対して、2000年頃から重症度や緊急度などを総合的に判断でき、全診療科の知識と技術を有するER型救急医の育成が進み、このER型の救急医を有するER救急施設が普及し始めました。日本救急医学会では本来、ER型救急医療は北米型救急医療モデルのことであり、以下の特徴を有することとしています。①重症度、傷病の種類、年齢によらずすべての救急患者をERで診療する ②救急医がすべての救急患者を診療する ③救急医がERの管理運営をおこなう ④研修医が救急診療する場合にはERに常駐する救急専従医(attending emergency physician)が指導をおこなうこととしています。
麻生総合病院救急総合診療科は、ER型救急の研修を積んでいる医師が中心であり、軽症から重症、内因性疾患から外因性疾患まで幅広くカバーできるER診療の救急外来をベースにしています。
以前、私たちの川崎市北部地域は、救急告示病院が少なく、このたらい回し状態や救急不応需が非常に多い地域でした。私たちは川崎市北部地域の救急診療体制に貢献できるよう努めています。
救急総合診療科の理念として3Sの医療を提供し地域の救急医療に貢献します。
S: Safe 安全な医療
S: Satisfaction 満足度の高い医療
S:Smile 心の通った医療
救急外来(ER)では24時間365日、緊急度や重症度に関係なく救急車や救急患者様を受け入れています。
救急外来では、患者様に対してトリアージ(初期診療の優先順位の決定)を行い、診断および治療を行っています。主に救急科スタッフが中心となり、できるだけ多くの救急患者に対応すべく、各科と協力しながら救急外来を運営していきます。
救急外来や病棟急変後にHCUへ入室した重症患者は、当科が主体となり各診療科と協力しながら診療を行っています。
役職 | 救急科部長 |
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専門分野 | 救急医学、外傷診療、集中治療、医学教育 |
出身大学 | 日本大学医学部(2002年卒) |
資格 | 医学博士 |
一言メッセージ | 地域の皆様が信頼できる救急施設に成長できるよう、スタッフ一同努力しております。 |
専門分野 | 救命救急・集中治療 |
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出身大学 | 日本大学 |
資格 | 日本救急医学会専門医 |
一言メッセージ | 地域の救急医療に貢献できるよう努力してまいります。 |
専門分野 | 救急医学 |
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出身大学 | 金沢大学 |
資格 | 日本救急医学会 救急専門医 |
一言メッセージ | 病気や外傷など幅広く救急患者様への診療を行っています。 |
専門分野 | 救急医学、内科一般、感染症 |
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出身大学 | 近畿大学 |
資格 | 日本救急医学会 救急専門医 |
一言メッセージ | 感染症全般を専門としています。丁寧で誠実な対応を心掛けております。宜しくお願い致します。 |
専門分野 | 救急 |
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出身大学 | 三重大学・慶応義塾大学博士課程修了 |
資格 | 救急専門医 |
専門分野 | 救急医学 |
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出身大学 | 東邦大学 |
資格 | ICLSインストラクター |
一言メッセージ | 救急・集中治療に携わってまいりました。全身の病態の改善と診断に努めてまいります。温泉療養にご関心がある場合も、ご相談に応じさせて頂きます。 |
専門分野 | 救急、集中治療、総合診療、熱傷・中毒、医学教育 |
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出身大学 | 慶應義塾大学 |
資格 | 日本救急医学会救急科 専門医 |
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