肩があげる力がはいらない、ひどい肩の痛みがある方は、肩をあげるための筋肉(腱板)の修復が難しいほどの損傷があり、軟骨が損傷を受けている場合があります。このような方に対しての新しい手術法です。国内ではまだ特定の施設、資格を持つ医師でのみ限定的に行われています。当院では国内に導入された2014年4月よりこの手術を行っております。
これは、もともとの肩関節機能とはまったく異なるメカニズムを獲得することで挙上することが可能となります。本来の肩関節の凹凸と反転させた専用の人工関節に入れ替えることで痛みを取り、これまでの手術法で挙がらなかった肩を挙上することが可能となる方法です。また、これまで治療困難であった粉砕が非常に強く、骨癒合、挙上が期待できない状態の骨折患者様にも治療可能な手技となります。
修復不可能な腱板断裂(広範囲)、変形性肩関節症、上腕骨近位端粉砕骨折など。詳細は担当医にご確認ください。
肩関節の受け皿(肩甲骨関節窩)にボール状の金属を入れ、腕の骨(上腕骨)側に受け皿の金属を挿入します。合併症は一般の人工関節と同様で感染、出血、脱臼などがあげられます。
外来で検査を行った方は前日に入院し、翌日に全身麻酔下に手術を行います。術翌日には装具をつけて歩行可能ですが、装具は3週間装着します。術後早期より専門の理学療法士とリハビリテーションを開始します。入院期間は個人差がありますが2週間程度です。退院後は外来にてリハビリテーションと定期検診で経過をみます。
以上がリバース型人工肩関節の説明となります。適応や手術の方法、術後経過などについて疑問点がございましたら、担当医までお尋ねください。